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■びっくりするぐらいグダグダな話です。
主にナカジがおかしいです。……いつもおかしい気がしてきましたが。

■出る人(今回から書いてみようかな、とか)
ナカジ  タロー  ニッキー  轟競  サユリ 

■グダグダでも良い人だけどうぞ。




「あれ? どうしたのナカジ、そんな世界が終わりそうな顔して」
机につっぷしていたナカジは目だけをタローに向ける。
表情の変化が乏しい(と、世間で思われている)ナカジの表情を、明確に見分けることができるタローの、こういう言葉はクラス内では大変ありがたがられる。
つまり、どう接していいかいまいち見分けが難しいナカジの、ご機嫌度合いを明確に把握できるからだ。
とりあえず、今は近づかないほうが身のためだと言える。
「タローか」
ため息のような声で弱々しくナカジが返事をする。
「俺は明日3限目から来るから、1限目のノートとっといてくれ」
「俺に頼むなんてチャレンジャーだねナカジ。そんな状況把握できないくらいダメなんだね今」
自分に対する的確すぎる評価を下すタローに、周りは大いに納得する。
「あー、じゃあ、ICレコーダで録音しといてくれ」
「何? どうしたの通院かなんか? お腹痛い? 頭痛い?」
「足ってどうやったら骨折できるんだ」
「派手に転ぶとか、バットで殴ってもらうとか?」
「殴ってくれそして折ってくれ」
「やだよそんなの。なんで好きな人傷つけなきゃなんないのさ」
さらりと言う「好き」に、ナカジは反応しない。いつもなら的確に急所を狙ってパンチだの平手だの蹴りだのが出る。よほど何かあるらしい。
「重症じゃん?」
あまりにおかしな言動に、それなりに仲良く付き合えているニッキーも会話に入る。
「んー、そうだねえ、重症だねえ。よっぽどだねえ」
さすがにタローも眉根にしわを寄せる。ナカジとの付き合いは長いから、大体のことに耐性はあるが、こういう方面に萎れることはさすがに珍しいため、様子を見守るしかない。
ちょっと、さすがに、心配だ。
「ねえ、ナカ……」
タローはナカジに声をかける。
そして教室後方の予定黒板が目に入って、ナカジの一連の元気のなさと不穏な発言の理由のすべてを悟った。
「あー、明日2限目持久走か……」
そのつぶやきに、ナカジの何かが壊れたらしい。勢いよく立ちあがると、頭を抱えて叫ぶ。
「その単語を言うな!」
「あー、長距離短距離関係なくナカジ走るの大っ嫌いだもんねえ」
「何で走らにゃならんのだ! 校庭5周って何万キロだ!」
「1周400メートルだから2キロだよ、何万キロもないよ」
「2キロ! 2! キ! ロ!? そんなの学校から駅より遠いじゃねえか! 遥か彼方だそんなの! 文明人が走る距離じゃねえよ!」
「ナカジ自転車通学じゃん。学校生活に駅関係ないじゃん」
「とりあえず駅伝走者とマラソンランナーに謝れ、ついでに轟にも謝っとけ」
「謝るものかー!」
「大体、2キロ何回か走って単位もらえるなんてお得じゃん」
「走らないと体育の成績問答無用で1だよ?」
「体育の成績なんぞ悪くてもどうとでもなる!」
「うん、まあ、ナカジ他の成績ウソみたいに良いだろうけどな」
「それにちまちま走っとかないと、学期最終日に全部まとめて一括で走るんだよ? 去年の先輩、最長で12キロ走ったんだよ1日で。そんなの嫌でしょ。大会じゃないんだから。あきらめてちまちま走っときなよ」
「嫌だ!」
「そんな握りこぶしで力説されてもな、無理だって。走れ」
「タロー、ニッキーが俺を殺そうとしている」
「真顔でウソ言うな。足折ってくれって頼みよりは普通のこと言ってるぞ俺は」
呆れた顔のニッキーと、大した問題ではなかったことにほっとして笑顔のタローに、青ざめこの世の終わりのような面持ちのナカジは食ってかかる。
「第一だ、考えてみろ、人生で2キロも連続して走るようなことがあるか!? 俺はない! そんな需要は一生こない!」
「マラソン大会とか?」
「それは強制だ! 自発的じゃない!」
「難しいこと言うなよ」
「難しくねえ!」
「じゃあ難しい言葉使うなって」
「難しくねえって言ってるだろおおお!」
「走るのだって難しくねえよ」
「そうそう。走った後って頭真っ白になって気持ちいいよー。ナカジいつも頭ん中いろんなことでいっぱいだからきっと爽快だよー?」
「俺の頭ん中は無駄なもん一切入ってねえんだよ! 消去されたら困るんだよ!」
「別に消えないって」
走る、という作業だけでこれだけ人は理性を失えるのだなあ、とタローは感慨深くさえある。
「大体去年はどうしてたんだよお前」
去年は別のクラスだったニッキーは頭を抱えたい気分をこらえてナカジに尋ねる。
「……」
「去年走って死にそうな思いをしたからこそ今年は走りたくないんだよ」
何も言わないナカジの代わりに、タローが説明する。
本当に去年の体育の授業の時のナカジは、ナカジを嫌っている人ですら思わず同情してしまいそうになるくらい気の毒な状態に陥っていた。
毎時間体育が終わるたびに、息も絶え絶え、顔は真っ青、動くに動けず地面に倒れこみ、立ち上がることさえ拒否をし、次の授業では机に突っ伏したまま動かず、そのまま昼食時間になだれ込むも食事もできず、帰り時間ぎりぎりぐらいにようやくなんとか復活したような感じになる、それの繰り返しだった。
何せタローの甲斐甲斐しい世話をすべて邪険にせず受け入れていたあたりに、ナカジ的非常事態だったことがよくわかる。
「わかった」
ナカジはひどく静かな声でそういった。
「何が」
「MZDに電話をしよう。今すぐ世界を壊してもらおう。持久走のしかるべき時間が過ぎたころにまた世界を作ってもらおう」
「ナカジ完璧壊れた」
「あの神だったら面白がって世界壊しかねねえから、誰かナカジから携帯を奪え」
本気の顔をして携帯を持ちだしたナカジに、ニッキーが取り上げにかかる。しかし、立ち上がって手を上に延ばされると、残念ながらニッキーの背では届かない。
「良いよなぁ、……ある朝目覚めたら世界が消えてなくなっていました」
「それ違う人の曲!」
「大丈夫数日で世界作れるあの人」
「いやそれ大丈夫じゃない! 遠い目するな! うっとりするな! 名案って顔すんなああああああああ!」
「まあま、ナカジ、落ちつこう。俺前言撤回」
ひょい、とナカジの手から携帯を取り上げてタローはにっこり笑った。
「足、折ってあげるよ。両方でいいね? なんならアキレス腱も切っちゃおうか。大丈夫大丈夫、俺が一生面倒見てあげるって。下の世話まで全部やってあげるって」
「断る」
「ち、思考能力残ってたよまだ」
真顔で舌打ちをしたタローに、ニッキーはそれはそれでナカジに同情する。
女の子大好きなニッキーには、タローの気持ちは一生わからない。まあ分かりたくないし、分からなくても困らないし、きっと分からないほうが幸せだろう。
「とりあえず、あれだ、まあ、走れ」
「何でここまで話しててその結論に至るのかが全然分からない」
ニッキーの提案に、ナカジは本気で不思議そうな顔をする。
ニッキーとしても、どうしてこんなに不思議そうな顔をナカジがするのかが不思議でたまらない。
頭、いいはずなのになあこの人。
「とりあえずアイキャンフラアアアアイとか言いながらそこの窓から飛び降りてみるかなあ」
「それ死ぬ。世界じゃなくてお前が終わる」
「ナカジが居ない世界はつまんないなあ。俺も一緒に飛び降りるかなあ、走るの別に大した問題じゃないけど」
「それダメだろ」
とうとうタローまでおかしくなってきた、とニッキーが困り始めたころ、いきなり教室のドアが開いて大声がした。
「ここかあああああ! 走りたくないってゴネてる野郎が居るってクラスはああああ!」
「轟じゃん」
「誰だ走ることに文句言ってるやつはああああああああああ!」
「何で知ってんだ」
「聞こえたんだよ聞こえたんだよ誰だ走りたくねえって言ったやつは!」
「デビルイヤーは地獄耳?」
「ちうか誰か分かってない時点で聞こえてねえんじゃねえの?」
「ほら見ろ走ってばかりいるとこんな風に脳が発熱すんだ。俺は嫌だぞ人生スマートに生きたいんだ」
「大丈夫ナカジ生きるの下手」
「今ナカジ地味にへこんだと思うな俺は」
「無視すんなあ! お前なんだな黒づくめ! 走るのは良いぞおお! 神様感じるぞー! ランナーズハイだ!」
「神じゃねえよエンドルフィンの分泌だっつーの。脳内麻薬だっつーの。エンドルフィンの分泌なんざ走んなくてもあるっつーの」
「ニッキー、エンドルフィンってなに?」
「俺に聞くなよタロー」
「賢い単語を使ってても走れない根性無しだお前は!」
「走るくらいなら根性無しでいい」
「どこまで!」
「ナカジ走んなきゃ死ぬってことになったらどうする?」
「走っても死ぬから走らない。そういうわけだから俺はあした3限目からだ。タローノートをとっておけ、ニッキー録音しとけ、そして阿呆の轟は自分の巣に帰れ」
「アホとはなんだアホとは」
「じゃあ莫迦。エンドルフィンも知らない莫迦」
「俺も知らない」
「俺もー」
「心配すんなお前ら昔から莫迦」
「うんとりあえず今日に限ってはナカジも莫迦だからね」



次の日。




「あれちゃんと来てるじゃん朝からえらいねナカジー」
「ガキに言うみたいに言うな」
「どんな心境の変化があったの?」
「俺は2限目頭痛で倒れることになってるから」
「まだそんなの言ってんの往生際の悪い」
「あのねー、私が1限目から来なきゃだめだよ―って言ったらちゃんと来たの」
「ナカジはサユリんに弱いなあ」
「でも2限目は頭痛の予定なんだよ」
「腹痛でもいいよな」
「どの道補習だよ分かってんのナカジ」


 


■終了が見えてこないのでここで強制終了。
主に走りたくなくて取り乱すナカジが書いてみたかった。

そして本音を言うと実は轟くんは小学生だと思ってる。
高校生として出しちゃったよどうすんだこれから。

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