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■pixivの小説機能用に書いてみたもの。
 なんかとりあえずナカジとサユリがいちゃいちゃしてる感じ。多分。
 結構適当な出来。








 


ごろりと寝転がると、空が見える。
もくもくと立ち上がる白い入道雲。綿あめみたい。むくむくと密度が高くて、きっとふわふわと良いさわり心地に違いない。
青い空。春より少し青が深くなった気がする。
青と白のコントラスト。
きっぱりとした色の違い。
ギラギラとした、太陽の光。

季節は夏。

「……暑いだろ、それ」
「うん、暑いよ。暑いけど、空がきれいだよ」
「暑さでボケたのか」
「ひっどーい」
木陰のベンチからナカジ君の声。心底あきれたような声。
答えて、とりあえず体を起こす。
木陰のナカジ君。
枝の隙間から落ちる光が、ナカジ君をまだらに染める。影の黒と、光の白のコントラスト。

夏って、色の対比。

「もう影入れよ。暑いだろ。というか見てて暑いんだよ。倒れる前に影に入れ」
「はーい」
わざとらしく手を挙げて返事。ナカジ君はあきれ顔。
あんまり表情が変わらない、と思われているナカジ君。実は結構表情に出る。
好きになって、初めて知った側面。
一緒に居る時間が長くなって、きっと良かった。

「夏に日向に出るなんて気がしれない」
「夏なんて何してても暑いんだから、暑さを楽しむ気持ちでいなきゃ」
「気がしれない……」
「大体、日陰でもそんなに気温は変わらないでしょ」
「直射日光って肌に痛いだろ」
「うん、まあ、そうだけど。それを知ってても、真夏にちゃんと一緒に公園まで出かけてくれるナカジ君はいい人だと思います」
「家に来たと思ったら、行き先も告げずに『じゃあお出かけしましょう』なんて言って、出かけたら出かけたで公園の芝生で寝転がられるなんて思ってなかったぞ俺は。知ってたら止めた」
「面白いでしょ」
「予測不能すぎて面白いよ」
「じゃあいいよね」
「いや、良くねえよ?」
あきれたのか、力なく笑うナカジ君の隣に座る。
昼下がりの公園には、私たち以外誰もいない。
公園貸し切り。相変わらず真っ白な入道雲が目にまぶしい。青とのコントラストもきれいだけど、公園の緑との対比もなかなか美しいかも。
「それにしても暑いな。このまま外にいたら溶けるんじゃないか?」
「溶けたら面白いかも」
「面白くねえよ」
「今溶けたら、混ざるねえ」
「俺はたまにサユリが本当に分からない」
「全部わかったら面白くないよ。私だってナカジ君が良くわからないよ」
心底げんなりした顔をしたナカジ君に、私はにっこり笑って答える。
「ま、全部分かったら面白くないのは確かだな」
「でしょ?」
そういうと、ナカジ君はカバンからペットボトルを取り出して飲んだ。
「頂戴」
「飲みさしだぞ。その上ぬるいぞ」
「かまいませーん」
飲んでみたら、レモン味。
「あ、レモネードだ」
「レスカだったんだが、炭酸抜けた。不味いだろ」
「不味くはないよー」
答えて、私もカバンからチョコレートを取り出す。
「お礼」
「いやそれ溶けてるだろ」
「いいの」
「否良くねえよ?」
ナカジ君の言葉を全部無視して、チョコレートを口に放り込む。
口の中に広がる、チョコレート特有のちょっとねっとりとした濃厚な甘み。
その味のまま、ナカジ君にキス。

甘酸っぱいレモン味のナカジ君と、甘いチョコレート味の私。

 


「ね、お礼」
「……だな。……甘い」



 



■特に意味もなければ意図もない。

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