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■英語の話です。
が、私は死ぬほど英語が苦手なので、間違ってるかも知んない。
一応調べてみてから書いたけど。

……間違っててもスルーしてください。お互いのために(苦笑)





「ここは仮定法過去だから、wasじゃなくてwereになる」
私の小テストを見て、ナカジ君はそう言った。ちょうど、バツ印をもらったところ。
「仮定法過去ってなんだっけ」
「『~だったら良いのに、でも、そうじゃない』って意味。授業でDTOが言ってたろ? 『I wish I were a bird.』って」
「私が鳥だったらいいのに?」
訳をして首をかしげて見せたら、ナカジ君はうなずいて見せた。
「そう。正確には『私が鳥だったらいいのに、でも、そうじゃない』だな。遠い目して言ってたろ。俺はもうあの遠い目を見た時うんざりしたからそれはそれは記憶にしっかり残ってる。それこそ、俺が鳥なら飛んで逃げたかった」
それこそ、ナカジ君が遠い目をして言った。
ちょっと疲れた顔に、私は吹き出しそうな気分になる。
「そのI wishっていう言葉を聞いたような聞かなかったような」
「サユリはあの授業の時、ちょっと寝てた」
「そんなの見てないでよ!」
しれっと言うナカジ君に、私は顔を赤らめて叫ぶ。そういう恥ずかしいところは、見てても言わないでいてほしい。
「見えるんだよ、俺の席からだと普通に」
「まあ、斜め二つ後ろだしね、ナカジ君の席」
「で、仮定法過去の話の続きだが」
「うん」
「仮定法過去では、主語がIだろうがHeだろうがSheだろうがItだろうが、ともかくwereを使うのが決まりだから、それを覚えておいたらかなり楽だとおもう」
「わかった」
答えてうなずく。本当はいまいちよくわかってないんだけど。
「で、他にこんな構文もある」
そういうとナカジ君は自分のノートにカリカリと文字を書きつける。
少し右上がりの、角張ったような字。
神経質そうなところが、ナカジ君にお似合いな字。

 
<If I were abird,I would fly to you.>

 
「もし私が鳥だったら、あなたのところに飛んでいくのに」
「でも、できない」
「なんか、ちょっと恋の歌みたいだね」
「腹立たしい」
「あはは、ナカジ君にとってはそうかもね」
ナカジ君のラブソング嫌いはよく知ってるから、それ以上は言わない。
「鳥だったら、かあ。ナカジ君、空飛べたら何したい?」
「考えたことなかったなあ……」
ナカジ君は少し考えた後、
「飛んでる鳥を脅かしてみたい」
時々、ナカジ君の考えることはよくわからない。
「サユリは?」
「鳥だったら? とりあえず、飛んでみて、それから考える」
「まあ、突然鳥になって空飛べたらどうするって聞かれてもなあ」
「そうだねえ」
自分で言っておいて、私は大きくうなずく。
「タローだったら海まで飛ぶ! とか言うかな」
「言うかもねえ」
「で、鳥になってるから波に乗れなくて悶絶する」
「ああ、しそう」
「アホだな」
「あはは」
今頃タローちゃんはくしゃみのひとつもしてるかもしれない。ごめんねタローちゃん。

 
「でもね、まあ、実際」
私は窓の外を見る。
随分陽が短くなって、まだこんな時間なのに外はきれいなオレンジ色をしていた。
もう少したつと、藍色が混じって、瑠璃色の空になるんだろう。
そんな時間帯の、微妙なバランスが、好き。
「もしね、今みたいにナカジ君と気軽に会えない距離に住むようになって、そしたら、空を飛んでナカジ君のところへ飛んでいけたらいいのに、とか思う日は来るかもしれないよね」

きっと、その時は、今みたいな色の空を飛んでいく。
夕焼けを切り裂くみたいに飛んで。
きっとその軌道から夕闇がこぼれおちてくるんだ。
キラキラ光る星が宝石みたいに、きっと軌道を輝かせる。
キラキラ光って、私はナカジ君のところにたどりつくんだ。

「鳥になって飛べたらいいのに?」
「そう」
「仮定法過去じゃ『でもできない』だぞ」
「夢がなーい」
私が口を尖らせると、ナカジ君は口の端を吊り上げるようにして笑った。
「鳥になって、なんてできないこと願ってる暇に、電車にでも飛び乗って俺が会いに来るかもしんないだろ」
「そうだよね、私が飛行機にのってくるってこともあるかもしれないよね」
「そんな遠い距離想定だったのかよ」
「別に具体的に遠い距離を思ったわけじゃないけどね」
言ってから笑ってナカジ君をみたら、なんとなく視線があったから、とりあえずキスをした。


「鳥になんてならなくてもいいや」
「そうだな、鳥になられたら探すのが大変だからぜひともヒトのままでいてくれ」
 

 


■最近のウチのナカサユはちょっといちゃいちゃしすぎだと思う。

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