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■ちょっと最近シャルロットが気になるのよ。

で、色々考えてたら、サユリとシャルロットとナカジの話が1本できました。
何が何やらな話です。





くるくる回る。
1,2,3,1,2,3。
ワルツに合わせてくるくる回る。
「かわいいねえ」
「……うーん」
私にとって4回目のポップンパーティは、キラキラのネオンとミラーボールの、ちょっとくらくらする空間。
自分の初めて出た時は、旅行がテーマで落ち着いていたし、その次の時は和風がテーマでもちろん落ち着いてたし、その次の、ナカジ君やタローちゃんが初めて出た時はカーニバルがテーマで、華やかではあったけど夢みたいな空間で楽しかったから、それに比べると今回のパーティはちょっとよくわからない。クラブとかディスコとか、もちろん行ったことないし、あんまりそういう系統の音楽もきかないから、ちょっと低音のずしんとくる響きにちょっと疲れてきてしまった。
考えてみれば、神様はそもそもDJなんだから、こういう系統のほうが実は得意なんだよね、仕方ないか。
ナカジ君と一緒に会場の端っこのほうからステージを見上げて、いろんな人の音楽を聴く。今ステージに上がっているのは、赤いドレスのお人形さん。シャルロット、って神様は紹介してた。水色か薄い緑のきれいな髪の毛で(いろんな色の照明のせいで、きちんとした色はわからない)音楽に合わせて踊る様子はとってもかわいい。赤いドレスも似合ってるし。プロポーションとかもねえ、ありえないスタイルでちょっとうらやましい。思わずウエストあたりをさすってしまった。
私は純粋にかわいいって思うし、昔持ってたお人形を思い出したりしてるんだけど、ナカジくんはあんまり興味がなさそうだった。まあ、お人形にメロメロになるナカジ君ってのもちょっと嫌だし、人形とはいっても、他の女の子にくぎ付けになられたらそれはそれで嫌なんだけど。
くるくる回る。
一生懸命だけど、曲もかわいいけど、なんかちょっと、さみしい。
 
 
シャルロットちゃんのステージが終わって、何人かがシャルロットちゃんに話しかける。
それが終わるのを見てから、ナカジ君に声をかけて、私は一人でシャルロットちゃんのところへ向かった。
歌が終わったばかりでも、シャルロットちゃんは全然息をきらせてなかった。やっぱりお人形なんだなあって、こういうときに思う。
「とってもかわいかった」
声をかけたら、シャルロットちゃんはガラス色をした目で私を見た。
「ありがとう、ええと」
「私はサユリ」
「まだ歌ってない?」
「うん、私は前からの参加者だから、まだ歌わないの。もうちょっと後かも。ご指名があったら歌うけどね、ご指名、あるかなあ?」
「そうなの」
首をかしげたシャルロットちゃんに、私は笑いかける。平坦な感じの受け答えとか、とてもお人形っぽい。
と、シャルロットちゃんのドレスのリボンがほどけているのに気付く。よく見れば、スカートの裾もちょっと破れてた。近くで見てみると、ドレスもすこし、古びた感じ。
「シャルロットちゃん、リボン結んであげるね」
ほどけたほうのリボンを結んであげると、シャルロットちゃんは嬉しそうに笑った。あ、笑うとますますかわいい。お人形って、ちょっと信じられないなあ。
「このドレスは、ヴィルヘルム様が最初にくださったの。今日はヴィルヘルム様もくるから、嬉しいの」
「え、それは大変!」
「どうして?」
「だって、ヴィルヘルム様のこと、好きなんでしょう?」
どんな人か、全然知らないけど、嬉しそうなシャルロットちゃんを見たら、誰だってシャルロットちゃんがヴィルヘルムって人を好きなんだってわかる。
たぶんきっと素敵な人。
「ええ、そうよ」
「だったら、ドレスをちゃんとしておかなきゃ! 裾もなおしてあげる」
「?」
シャルロットちゃんはわからない、という顔をした。
「ええとね、うん、シャルロットちゃんはここに座って」
椅子をすすめると、シャルロットちゃんはそこにちょこんと座った。物音はほとんどしない。
「ちょっとごめんね、待ってて」
一度荷物のところに戻って、ソーイングセットを持つとシャルロットちゃんのところへ戻った。シャルロットちゃんは私が「待ってて」って頼んだ時の姿のまま、椅子にちょこんと座ったままだった。全然動いてないんだろうと思う。待つことに慣れた、お人形さん。
なんだか無性に悲しい気分になった。
「ごめんね待たせちゃって」
「待ってないわ」
「ならよかった」
シャルロットちゃんの足元に座って、スカートの裾を少しだけ持ち上げる。作り物の足だけど、真っ白でとってもきれいな足が見えた。小さいなあ、って思う。
「どうしてなおすの?」
「初めての想いでだから着てきたんでしょう? 好きな男の人に会うんだから、きれいにしておかなきゃ」
「サユリはそうするの?」
「うん。女の子なら、みんなそうするわ」
「そうなの」
シャルロットちゃんはちょっと驚いたような顔をした。
「だからね、きれいにしてあげる」
 
 
「サユリー」
「あ、ナカジ君今こっち来ちゃだめだよ」
ちょうど私はシャルロットちゃんのドレスの裾と格闘中で、つまりは足がちょっとでているのであって。
「は? 何で」
「今ね、シャルロットちゃんのドレスの裾なおしてるの」
「あー」
ナカジ君はかなり納得した声をあげる。
「あ、でもどっか行っちゃわないでそこにいて」
「あー、わかったわかった」
ちょっと面倒くさそうにナカジ君は返事をすると、少し離れた位置にある柱のところに立った。それを確認してから、私は作業を再開する。
「サユリは、あの人のためにきれいにする?」
シャルロットちゃんはしばらくナカジ君のほうをみてから、私を見て首をかしげてそう尋ねた。
「うん、もちろん。だって大好きだもの」
「そうなの」
「うん」
「サユリはきれいね」
「シャルロットちゃんもきれいよ」
シャルロットちゃんはしばらく、ナカジ君のほうや、私を見ては不思議そうな顔をしていた。
 
 
「はい、出来上がり」
「ありがとう」
「どういたしまして」
スカートの埃を払いながら立ちあがって、私はナカジ君のほうを見る。相変わらずぼんやり柱にもたれて立っていて、まだ続いているステージの演奏を聴いているみたいだった。今はニッキー君がパフォーマンスをしている。今回の新しい曲については、私ちょっとコメントしづらい。
「そういえばナカジ君、何の用だったんだっけ」
「いや……声かけたころに立食コーナーにイチゴが出たから」
「え! いちご!」
ぱっとそっちの方面をみた私に、ナカジ君は付け加える。
「もう時間切れ。売り切れた」
「えええええええ」
「あ、あの、ごめんなさい」
あまりの不満声に、シャルロットちゃんが私の背後で謝る。
私は一回深呼吸。
「いいの。大丈夫。イチゴはまた食べられるけど、シャルロットちゃんがきれいにならなきゃいけないタイミングは今だもの」
「なんだそりゃ」
ナカジ君がわけがわからないという顔をする。
「今日ね、シャルロットちゃんの好きな男の人もパフォーマンスにくるんだって。なのにドレスがきれいじゃなきゃ嬉しくないでしょ」
「……それは向こうがどういう気持ちなのかも関係するんじゃないか?」
「ドレスをプレゼントしてくれるのよ!? 好きに決まってるよ!」
「……じゃあ、この場に居てくれるだけで、もういいんじゃないか?」
「じゃあ聞くけどね、ナカジ君。久しぶりに私に会うとして、私のスカートが破れてても平気?」
「平気じゃない。大分気になる。何があったかかなり心配だ」
「でしょ? ほらね」
勝ち誇る私に、ナカジ君は「あー、はいはい」と大変面倒くさそうに言う。なんかムッとするなあ。
「ま、それはそれとしてだ」
「何?」
「ほれ、コレ」
そう言って、ナカジ君が死角から出してきたのは、グラスの器に入ったイチゴ。
「ウソ! いいの!?」
「サユリの分。とっといた」
「きゃあああ、もうナカジ君大好き!」
勢いで抱きついたら、ナカジ君は「うわ、やっす!」と笑って言う。
「ほれ」
一個つまんで口元に持ってきてくれたから、そのまま口をあける。口の中に放り込んでもらう時に、ついでに指も口に含んだら、ナカジ君は大変困った顔をしていた。耳まで赤い。
「シャルロットも。ひとつやる」
「いいの?」
「サユリが許せば」
「いいよ」
ナカジ君の手から、シャルロットちゃんの手の中に、イチゴが一つ。
「きれい。赤い宝石のよう」
「「詩人」」
思わず私とナカジ君の声がはもって、シャルロットちゃんはきょとんとした後、少し笑った。それから、私を見て首をかしげる。
「ねえ、嬉しい時、そうやるの?」
多分、私が抱きついたことを指しているんだろうと思う。
「そうだよ」
「違う」
私とナカジ君の答えは、今度はいっしょにならなかったけど。
「そう。わかったわ」
シャルロットちゃんはそういうと、ステージに目を向けた。
「ヴィルヘルム様」
 
 
 
しばらくして、ヴィルヘルムさんにしっかり抱きつくシャルロットちゃんが見えた。ついでに大変にうろたえたヴィルヘルムさんの声が聞こえたけど、知らない振りをすることにした。
 

 


■シャルロットの口調がいまいちまだわかりません。でもなんとなく、綾波っぽい気がしてる。
気のせいかもしれない。
そしてナカサユのいちゃつき度が当社比1.5倍。1.5で足りるだろうか(笑)

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